会社の常識が世間の常識よりも大事になってしまう 

LIFE

人生>仕事 or 仕事>人生 あなたはどちら??

30代の頃は、バリバリ後者だったなぁ。

すべての事柄の最上位にくるもの「仕事」

仕事は自分を表現する術だし、俺そのものだった。

熱が出ようが、腹が痛かろうが、何だろうが仕事をした。

てっぺん越え(深夜0時を回ること)しない日なんてないし、

そのまま会社で朝を迎えたことがどれくらいあったか。ザッツ仕事大事マン!

懐かしい。やってよかった、とは思わないが大事なひとときだったことは間違いない。

就業規則がどうの、労基がどうの、とかそんな世間一般の常識じゃなくて

俺自身がそうしたかったのだ。大事なひとときというのはそういうこと。

今はそうはいかないんだろ?

広告をつくる人間はそんな連中ばかりだった。納得いくまでやる。

定時は、納得いく時間ではない。

今となっては、仕事が人生の一部にすぎないことを理解している。

徹夜でドラクエをやった子どものころの情熱が仕事になり、それを30代になってもやっていた、

ただそれだけのことで、今はやれないし、やろうとも思わない。

仕事が最上位ならそれはそれでいいのかもしれない。仕事に誇りを持っている証だ。

それが仕事でなく「会社」が最上位なのがサラリーマンブラザーズだ。

サラリーマンとは記号である。

サラリーマンとは仕事云々より会社が大事、というのが俺の定義だ。

人というより記号に近い。

池井戸潤さんの「七つの会議」は読まれただろうか。

野村萬斎さん主演の映画もあるのでご覧いただきたい。

会社の理屈が、個人の理屈、ひいては世の中の理屈を凌駕する様を見ることができる。

悪いと知りながら不正に手を染める。

映画版では、内部告発した主人公がその旨を述懐しながらエンドロールとなる。

萬斎さんの語り口、独白が妙に刺さる。

俺はサラリーマンではなく仕事大事マンの広告マンだったので、会社と喧嘩こそすれ、

会社の不正に目を瞑るような出来事に出くわすことがなかった幸いにも。

出世とかも関係ないし、いかに良いものをつくるか、それしかなかった。

ただ、“個人的にはやりたいですけどうちではできません”

というのはしょっちゅう耳にした。要するにそんな安い金額じゃできねぇよ、ということ。

内容はオモロそうだけど、クライアントに予算がない。広告業界あるあるだ。

会社組織として真っ当に利益を追求しなければならないので、正しい判断だ。

俺たちは赤ひげ先生じゃないからな。わりと赤ひげっぽいこともしたけど。

会社の利益にならんけど、これは俺がやらなきゃ、みたいなことをこっそりやったこともある。

チームの理屈と個人の生き様がぴったり一致している人はいいだろうが、少数だろう。

両者の間でバランスを取れるのがいいサラリーマンだ。会社大事マンだ。

サラリーマンでも金太郎みたいに自分の理屈を会社に嵌め込んでいけるならそれもよし。

できないならバランスを取るしかない。

俺は、どちらもできない。

会社のヴィジョンよりも、己のヴィジョンを大事にしたいからだ。

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